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【超決断力 著者メンタリストDaiGo】読んでみた ② ★クネビン・フレームワークとは★

では、クネビン・フレームワークの詳細について個別具体的にみていきましょう。


□ 単純(Simple)

やりたいこと、やるべきこと、したいこと、しなければならないことが明確にある時は、決断の状況は単純(シンプル)に該当します。

・単純の例

日課になっているジョギングを続けるか、休むか

②提出する報告書を先にやっておくか、ギリギリまで放っておくか

 


この『単純』な状況では、「やるか、やらないか」の決断のルールを設定すれば、自動的に意思決定できます。

 


そのルールには、「VARI」スキルというものを用います。

「VARI」とは

・Values(価値)/自分の価値をリストアップ

・Automation(自動化)/自動化できるか考える

・Rational Decision Making(理性的な判断)/決断可能な選択肢をリスト化する

・Intuition(直感)/感情に沿って考える

の頭文字を取ったルールです。

 


このうち、『単純』な状況には「V」と「A」を使用します。

「価値」と「自動化」の2つの視点から「やる、やらない」を検討していきます。

※「R」と「I」は、『複雑』な状況で使用しますので、ここでは一度スルーします。


『単純』な状況での意思決定は、日々の暮らしの中で何度も同じパターンが起き、仮に間違えたとしても、人生に大きな影響を与えません。

 

このような日常的な決断をスムーズにこなせるようになると、込み入った意思決定をする時の力を残すことが出来、結果的に自分自身の決断力を高めることが出来ます。


では実際にルール設定のお話に入ります。


□ 一つ目のステップ 「Values(価値)」

このステップでは、自身が重視する価値観をリストアップし、物事の判断基準を明確にします。

ある専門家は、リストアップした価値観を

①永続的価値②道具的価値に分類することを薦めています。

※永続的価値…死ぬまで変わらないであろう自分が大事にしている価値観のこと。(幸福感、自由、正義)

※道具的価値…「永続的価値」を実現する為に必要な行動、振る舞いのベースになる価値観。(誠実、信頼、親切)

 


私の場合は①永続的価値に自分の正義があるので、それに沿って②道具的価値の親切を行うといったかたちになります。


確かに、そもそもどのようなモノサシで決断をはかるか考えると、非常に分かりやすいですね。


本書に書いてありますが、

自分の永続的価値と道具的価値を知ることは、決断に迷う状況に陥ったとき、立ち返る原点、意思決定する為の基点を持つ事に繋がります。

つまり

自分の求めていることをよく分かっている人は後悔をせずに最善の決断が出来るということです。

 


□ 二つ目のステップ 「Automation(自動化)」

それでは、次のステップを確認しましょう。

このステップでは、「単純」に振り分けた決断をリスト化して、「それぞれを自動化出来るものはないか?」という視点で仕分け、自動化可能な方法を考えていくものです。

・貯金…毎月給与日に決めた額を自動的に別の積み立て口座に移るように設定する。

・筋トレ…毎朝起きたら寝床で腹筋○回、夜帰宅後、部屋着に着替えた時に腕立て○回する。


一度決めても、

・決断の状況そのものが変わってきていないか

・今やっている自動化の選択がベストでは無くなっていないか

について定期的にチェックしましょう。


単純で何度も出てくる決断は「自動化」することで脳の容量を空けられます。

 

□ 面倒(Complicated)

クネビン・フレームワークでは

『面倒』は、因果関係は見つかるが正解がハッキリせず、適切と思われる解がいくつもある。いくつもの選択肢を検討する必要があり、場合によってはその多くが有望に見える

と定義しています。


フレームワークの研究者は、「情報の量と質を増やし、より良い選択肢を揃えること」を勧めています。

客観的なデータと専門的な知識をもつ第三者からのアドバイスが必要ということに繋がります。


ただ、多すぎるデータやアドバイス等は、的外れ・不正確なデータとなる可能性があるので注意が必要です。


その為に必要になってくる考え方が「デフォルト設定」というものです。

これは、満足度の高いはじめの一手(必要なポイント)を持っておくと、決断の方向性がブレなくなるというものです。


例えばテレビや洗濯機を購入する際、機能が色々ありすぎて何にしたら良いか悩んでしまいますよね。

その場合には、必要な情報(値段の安さ・テレビの大きさ)をデフォルト設定として、考えていくと、結果的に満足度の高い買い物が出来ます。


よく「とりあえずビール」という声を聞きますが、これもデフォルト設定になりますし、これくらいの感覚で良いと本書でも述べています。


□ 複雑(Complex)

「複雑」は理想的な解が見えているものの、どうすればその結果が得られるかがわからずにいる状況です。

例えば、

飲食店を開業したいけど、どの立地が完璧か

結婚したいけど、どうすれば幸せな結婚生活が出来るか


新しいことを始めようとした時に直面する「複雑」な状況は、「面倒」に比べると自分がコントロール出来ない要素が多くなります。


この場合は、同時並行でいくつものトライ&エラーを行い、自分の求める解に近づきそうな方法を探るのが、遠回りのようでいてもっとも確実な方法と記しています。


具体的には

① デフォルト設定に合ったいくつかの選択肢を同時に試してみる

② 試した経験を感触の良いもの、悪いものに分け、良いものを続ける。

③ 感触のいい選択肢の経過を見ながら別の選択肢も試してみる

ことになります。


ここで、前述した「VARI」スキルの「R」「I」が役立ってきます。


この活用方法は

① 選択肢をリスト化する

(1・2個ではなく、出来るだけ書きましょう)

② 3つに絞り込む

(自身の永続的価値と照らし合わる)

③ 直感で決める

自分の価値観と照らし合わせて残った選択肢はどれも自分の決断に足るものになっているはずです。


ただ、「複雑」において、決断ミスを引き起こす3つの行動があります。

① 事態をコントロールしようとしてしまうこと

② 都合の良い事実を探してしまうこと

③ 問題解決を急ぎすぎてしまうこと

DaiGoは、出来る準備をしたら、後は意識的にまったり別のリラックスできることを始めると高確率で込み入った状況と解くヒントが降りてくると言います。

やれることをやったら、焦らずに果宝は寝て待ちましょう。


□ 混沌(Chaotic)

いよいよクネビン・フレームワークの最後です。

クネビン・フレームワークでは、

『混沌』は、因果関係がハッキリせず、適切な解を探しても意味が無い。コントロール出来るパターンも存在しない。数多くの意思決定を下す必要があり、考えている余裕もない」

としています。

つまり、正しい決断を下せる状況ではないということです。

この、答えのない決断をする時は、最善を見つけつために足踏みするよりも小さく行動を起こしながら、状況を整理していくことをお勧めしています。


この状況では、「混沌」を整理して「複雑」な状況に持っていくことを目指しましょう。


「変えることの出来ないものについては、それを受けいてるだけの冷静さ」を持って状況を変化させる努力をし、「変えることの出来るものについて、それを変えるだけの勇気」を発揮していきましょう、としています。

 

ただし、この「混沌」において絶対にしてはいけないことがあります。

それは、答えが出ない為に思考停止状態に陥り、自分は「単純」な状態にいると思い込み重大な決断を下すことです。

このような状態で決断を下すと後悔する可能性が非常に高いです。

例えば、「そもそも自分に仕事は必要なのか?」という混沌の悩みに対して、仕事をするorしないで考えてしまい、しない(=辞める)を選択すると後悔するようなイメージです。

 


ではどうすれば良いのでしょうか?

それは【答えの出ない悩みの原因、直面している問題の根本を、しっかりと掴むこと】です。

つまり、自分が今いる場所(悩みの原因、問題の根本)はここで、向かうべき方角はこっちだと理解することが大切です。


これが、決断によって受けるダメージを最小限にする為の条件となります。

ここで役に立つのが【HARM(ハーム)】という考え方です。

 

流れとしては、「HARM」で進むべき方向性を見つけ、「脱・デバイアス対策(後程解説します。)」で状況を整理しながら。決断の選択肢を探していきます。

 


□ HARMとは


心理学の研究では、人間の悩みの9割は4つのジャンルに分類され、この「HARM」はそのジャンルの頭文字を取ったものです。


Health(健康)/外見の変化・病気等、心身にまつわる健康問題

Ambition(野心・大望/出世や理想の仕事探し等、社会的な成功への期待

Relation(人間関係)/人間関係の悩み

Money(お金)/収入の増減・借金等、お金の悩み


「混沌」に陥った時には、この4つのうちどれに当てはまるかを探っていくことにより、向かうべき方角をハッキリさせることができます。


例えば「どんな仕事をすれば自分は幸せになれるのか」を考えてMに当てはまれば、表面では仕事について悩んでいるようでも、根本的にはお金で悩んでいるということになります。

 

□ 脱・デバイアス対策とは

私たちは迷い悩んでいるときほど、バイアス(思考や判断に特定の偏りをもたらす思い込み)によって判断力・決断力が曇ってしまいます。

その為、「脱・デバイアス対策」を使用・チェックすることで、決断ミスを確実に減らせるようにします。


ワンアットタイム戦略

→選択肢A・Bがあった場合、それぞれを比較検討するのではなく、それぞれのメリット・デメリットを考えて吟味する方法です。

前向きハインドサイト

→選択肢を検討するにあたり、良い情報ばかりに目が行きがちなので、あえて逆の視点を入れて見直す。

アカウンタビリティ

→身近にいる第三者に対してこれから自分がしようとする事を説明しましょう。

それにより、頭の中が整理されます。

フォースド・ブレイク

→焦りや戸惑いからくる判断ミスを防ぐ為、適度な休憩を挟みましょう。

アドバンス・チョイス

→決断時に挫けそうになった時の対処方法をあらかじめ決めておくことです。

(もうめんどくさい!となったら、「もう一踏ん張り」と自分に言い聞かせる等)

 

「混沌」という答えのない問題で決断するためには、『HARM』『脱・デバイアス対策』を活用しましょう!

 

かなりボリュームがありましたが、

以上、「クネビン・フレームワーク」の詳細です。

私自身読んでいてかなり参考になりましたし、実際に試してみて良いと思ったところも多くありました。

試した内容については別途まとめようと思います!


次のブログでは完璧主義に対する考え方を見ていきましょう!